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スワロウデイル

 編集工房SWALLOW-DALEのアーカイヴ準備室です。ときどき更新します。

平田信芳文庫

 平田信芳(1930年9月15日 - 2014年2月15日)の思い出に、
「平田信芳文庫」を開設しました。(2014年10月28日)

 

SWALLOW-DALE

 不定期刊小冊子『SWALLOW-DALE』をPDFで公開していく予定です。おもに鹿児島についてのテキストになります。忘れられている、忘れ去られている話題を取り上げていく予定です。時代遅れというか、時代とずれた話が続く予定です。

 

my favorite things

 しばらく「20世紀書店」が続きます。ほかの世紀にもお邪魔します。

 

197. 1967年の『笑いごとじゃない』(2017年1月14日)

1972年の『笑いごとじゃない』

あまり知られていないけど面白い小説を挙げてみて、というお題で、真っ先に思い浮かぶのが、アンガス・ウィルソン(Angus Wilson、1913~1991)の『No Laughing Matter』(1967年、Secker & Warburg)。「読んだ」という人と知り合う機会がまだありません。
写真は1972年に出た翻訳版『笑いごとじゃない』(芹川和之訳、講談社)のカヴァーです。

1912年から1967年までのイギリスを舞台にした、中産階級のマシューズ一家の6人きょうだい(長男クェンティン、長女グラディス、二男ルーパート、二女マーガレット、三女スーキー、三男マーカス)が主演の大河小説。それぞれを主人公にして小説6本が成り立つようなアイデアがこの作品に注ぎ込まれています。虚構に存在に思うことでもないのですが、その後のマシューズきょうだい、2017年にはみんな亡くなっているのだろうなあという感慨もあります。

1967年のイギリスというと、ビートルズのアルバム『サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)』が出た年ですが、サージェント・ペッパーズに負けないくらいポップでいろんな仕掛けがいっぱいのおもちゃ箱のようでいて、風俗がしっかり描き込まれた小説です。現代の古典とまでは言いませんが、傑作だと思います。

アンガス・ウィルソンの名前を知った切っ掛けは、60年代のニューウェーヴSFの作家マイケル・ムアコック(Michael Moorcock)への讃辞を書いていたことだったような気がします。そうした方面への関心も閉ざすことのない作家でした。